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Bruise Claw

Bruise Claw<ブルーズクロー>第8話

投稿日:2024年6月26日 更新日:

Bruise Claw<ブルーズクロー>第8話

「め、夫婦って・・・な、なにを言ってるの貴方!?

 大体、そ、そんな裸みたいな恰好で誘惑してんじゃないわよ!!」

「あ、あぁ。確かに。お前はイチイチ正しいな小娘!あっはっは!」

 

「・・・ざけんじゃないわよ!!

 何いきなり出てきてプロポーズしてんのよ・・・ざっけんなよ!!」

「お、落ち着け嬢ちゃん・・・!」

 

「あぁん!?あんたは黙ってなさいよロリコンハゲ!!」

 

「ロリ・・・ハゲ・・・(ガーン)」

「アーマス・・・ひとまずこれ以上刺激しないでおこう・・・」

 

「もうあったまきた!さっさとアンタぶっ飛ばして進ませてもらうわ!」

「威勢だけはいいな小娘、いや・・・ミリシアだったか。

 いいぞ、黙らせてみるんだな」

 

「そうさせてもらうわよ!いけッ!!ホーミングニードル!!」

 

横に広げた両腕・・・その左右の五指から太い針が発射される!!

 

「ふん!こんなものが当たるか」

 

余裕でかわすミステイシアだが、避けられた針は軌道を変え再びミステイシアを襲う!

 

「当たるまでどこまでも追っかけるわよ!!」

「ふん」

 

シュシュシュシュシュ!!

 

「な・・・!?」

 

ミステイシアは迫りくる針を立て続けに片手でつかみ取ると、力任せに一握りで全てを破壊した。

 

「ほれどうした?まさかそれで終わりじゃないだろ?」

 

「あたぼうよ!!グランドランス!!」

 

ミリシアは床に手をつき、そう唱えると、ミステイシアの足元から床を突き破って土の槍が飛び出してきた!

 

「こんなものが当たるものか」

「でしょうね!ラキット!!」

 

「何!?」

 

正面からのグランドランスはあくまでも気を引くための囮・・・!

本命は死角からラキットの攻撃!!

 

ラキットの飛び蹴りがミステイシアの首を刈った・・・かに思えたが、

腕でしっかりガードしている。

 

「く・・・!」

 

「いい線ではあったぞラキット、だがまだまだだな」

 

ドゴッ!!

空中で身動き取れないラキットの顔面をグーパンで殴りつけたミステイシア!

ラキットはそのまま吹っ飛んでいく!!

 

「!」

「はぁ!!」

 

ラキットに仕掛けている隙に、距離を詰めていたアーマス!

そのまま渾身の右ストレートをミステイシアの腹めがけて放った!!

 

ドムッ!!

 

アーマスの拳は、確かにミステイシアの腹に当たりはした・・・

しかし、一瞬早くバックステップで距離をとり、ダメージを最小限にとどめていた。

 

「チッ・・・!反応が速い・・・!」

「いいコンビネーションだ。だが、この程度じゃ合格点はやれないな」

 

一旦三人は集合した。

 

「アーマス、お前、女には手を出さないんじゃなかったのか?」

「女ならな・・・アレは天獣!そう割り切った・・・

 とはいえ、出来る事なら殴りたくないな」

「優しいんだね、さっきは思わず本音が出てゴメン・・・」

 

「本音て!?そっちのが傷つくっての・・・」

「冗談よ!」

 

「くく・・・!(笑ってる場合じゃないってんだけどなぁ。

 しっかし、何なんだ、何か違和感を感じる・・・

 俺の方がスピードはあるように思うのに、何故か攻撃が当たらない・・・)」

 

天使や天獣は、第六感が優れており、危機察知能力が非常に高い。

故に、次に来る攻撃が、どこを狙っているかも大体把握できるのである。

これは彼ら天界人特有のスキルというよりも、高い天力を有するものなら

発現しうる能力である。

 

攻略法としては、対処できない程の物量で攻めるか、

一切の気配を殺し、敵意も消した攻撃を繰り出すほかない。

だが、それは武の極致・・・今の三人にそれを実現する術はない。

 

「ラキットよ、我は弱い男に興味はないぞ。

 我が欲しければ、もっと頑張れ」

「な、なにを・・・誰がお前を欲しいっつったよ!」

 

「なぬ・・・欲しくないと?

 そこのミリシアよりも容姿端麗、スタイルもいいと思うが・・・」

「そ、そういう問題じゃねぇよ!」

 

「さっきから・・・人の神経逆なでしやがって・・・このアマァァ!!」

 

すでにミリシアはブチギレ寸前である。

 

「ミ、ミリシア落ち着けって!もうこの流れはさっきやったろ!?」

 

「うっせーっつってんだろ!!このハゲエエエエエエエエエエエエエ!!」

 

「シンプルに傷つくぜ・・・」

 

「・・・!!」

 

その瞬間、ミリシアの脳に直接声が響き渡った。

これが『天啓』・・・

天界人の血を持ち、その身に天力を宿す一部の人間に見られる現象。

 

これにより、オラクルと呼ばれる特殊な能力に目覚めるのである。

その能力の説明が天啓を受けた際に脳に直接刻まれ、

瞬時に使い方を理解する。

 

オラクルの能力の中には、自身の成長と共に、強化されるものもある。

また、人によっては複数の天啓を受け、複数のオラクルを持つ者もいる。

エンド・ヴァイオレントの『能力模写』『リミットオーバー』がそれである。

 

そして、今、ミリシアも能力に目覚めた・・・!!

 

『女の嫉妬』・・・嫉妬心が強ければ強い程、身体の能力を強化できる能力・・・!!

 

「ミリシア・・・髪の色が・・・!?」

 

「いくぞオラァァァ!!」

 

ミリシアが叫ぶと、一直線にミステイシアに向かってはじけ飛んだ!!

 

「!!(速い!!)」

 

すぐに両腕を体の前でクロスしてガードするミステイシアだったが、

ミリシアはお構いなしに右ストレートをガードにぶち込んだ!!

 

「ぐ・・・!!」

 

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