Bruise Claw<ブルーズクロー>第7話
「んじゃま、行きますか!」
三人は神殿内に入った。
薄暗く、入り口付近はまだ陽が届いていたが、奥はかなり暗い。
「エンドの話によれば灯りは必要ないって話だったけど、
それはあくまでも地下迷宮の事なんだろうか・・・」
「大丈夫。私たいまつ持ってきてるから」
ミリシアがたいまつを取り出し火をつけた。
「地下迷宮の入り口・・・隠されてないといいけど・・・」
たいまつが一つなため、三人は固まって捜索する・・・
弱冠の非効率感にストレスを感じながらも、諦めて床を入念にチェックする。
「んー・・・床にはそれらしい隠し階段とか見当たらないな」
「だな。奥の大広間にもなかった・・・となると、このパターンはあれだな。
どっかに隠しフロアがあって・・・」
「そこに地下迷宮に続く階段がある!」
「じゃあ、次は壁やオブジェを手あたり次第探りますか」
暗闇にも目が慣れ、ある程度フロアの全体を把握できたため、
フロア中央にたいまつを設置して手分けして探すこと10分・・・
「!・・・二人とも!ちょっとこっち!ミリシア、たいまつを持ってきてくれ!」
ラキットが何かを見つけたようだ。
「見つけたか?」
「ん・・・たぶん・・・ミリシア」
「はい、たいまつ」
壁のブロックにたいまつを近づける。
「あ、微妙に色が違う」
「部屋が明るければすぐに気づけたんだろうけどな。
多分これが正解なはず!」
バコン!
ラキットは色違いのブロックを叩いた。
すると音を立てて、何故か天井が開き、そこから吸血コウモリが飛び出してきた!!
「おいおい!ハズレじゃねぇか!」
「俺に言われても・・・!(オラクルの後遺症かもしれないなこりゃ・・・)」
「二人ともどいて!ホーミングニードル!!」
ミリシアの掲げた手・・・その五指から鋭く太い針が発射された!!
その針は飛びまわるコウモリを追尾しなら、的確に体を射抜き、
一瞬にして一網打尽にした。
「ヒュー!やるじゃねぇか嬢ちゃん!なぁラキット」
「あぁ!助かったぜミリシア」
「こ、この位は別に・・・てか、これって・・・
ちょっとラキットたいまつかしてみて」
「?おう」
ラキットがミリシアにたいまつを手渡すと、
彼女はコウモリが飛び出してきた天井の穴に向けてたいまつをかかげた。
「やっぱり。梯子が見える」
「んー・・・
本来だったら天井が開いて、梯子が降りてくるまでがワンアクションだったけど
装置が故障してたってことなのか?」
「ミリシア、ちょっとたいまつ貸してくれ。
一応これ以外にも色違いのブロックがないかチェックしてみる」
アーマスにたいまつを渡し、10分程度が経過・・・
どうやら他に色違いのブロックはなかったようだ。
「つまり、これは一見するとハズレなようで、実は当たりだったと・・・」
「はは・・・(俺のオラクルの副作用で吸血コウモリ襲撃と装置の不具合っていう
不運の連鎖が起きたって考えた方がいいかもな・・・)」
「天井まで3m50・・・ってところかしら。
この位ならいけるわね。ってなわけで、ちょっと見てくるからたいまつ」
「気をつけろよ?まだコウモリがいるかもしれない」
「大丈夫だって!」
そういうと、ミリシアは腰を落とし、勢いをつけて飛びあがった。
確かに余裕のようだ。
「でもよ、上は本当に正解の道なのか?」
「まぁでも一回上に上がって、また下がるってパターンはよくあるからな。
何とも言えないよな」
ガガガガガ・・・
天井穴から梯子が音を立てて降りてきた。
ミリシアが力技でおろしたのだろうか?
「大丈夫だったよ!それよりも気になる事があるの。上がってきて」
ラキットとアーマスは言われるまま梯子を上り、天井上に出た。
かなり埃っぽい・・・
下の大広間と同じ広さ・・・ところどころ箱が置いてある・・・
物置にでも使っていたのだろうか?
「これを見て」
ミリシアが足元を照らすと、埃をかぶった床に、真新しい足跡があるではないか。
「先客がいるってことか・・・」
「足跡の大きさからみて、女だなこりゃ。
しかも、よく見たら別の足跡もあるぞ。こっちは男か・・・パーティかな?」
「先客がいるなら急いだほうがいいんじゃないの?」
「いや、この足跡・・・真新しいし、最近のものだと思う。
仮に守り人の試練をクリアして先に進んでたとして、
レベルが1になってるはずだろ?そんな先には行ってないと思う」
「でも先客がいたなら何でコウモリがいたんだろうな?
そいつらが先に遭遇して倒してそうなもんだけど」
「それなら、向こうにコウモリの死骸があったよ」
「生き残りに襲われたってわけね・・・
ラキットお前・・・」
「へいへい、そうですよ。だけど、お前だけは文句言えないからな!?
(誰のせいでこうなってると思ってるんだ、暴走するお前の一撃から守るために
仕方なく使ったっつーの!)」
「とりあえず先に進も!下に降りる梯子もあったからさ」
ミリシアの案内で天井の仕掛けを作動させ、
こちらは壊れていなかったようで、天井の床が開き、自動で梯子が下がっていった。
三人が下のフロアに降りると、梯子は自動的に元の位置に戻り、天井も閉じた。
「どうやら大広間の隣に、この小部屋があったみたいだな。
で、こいつが地下迷宮への下り階段ってわけだ」
4畳くらいの小部屋の端に、下り階段がある。
三人は階段を進んだ。
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