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Bruise Claw

Bruise Claw<ブルーズクロー>第5話

投稿日:2024年6月25日 更新日:

Bruise Claw<ブルーズクロー>第5話

「うう・・・ん・・・」

「ようやくお目覚めか」

 

宿屋のベッドで目を覚ましたアーマス。

あの戦いから丸一日眠り続けていた。

 

「ここは・・・?はっ・・・!ゼルディアは!?」

「落ち着けよ。ここはタマスの宿屋。

 ゼル姉もエンドたちも帰ったよ」

 

「俺・・・どうなったんだ?」

「やっぱ記憶ねぇんだな。このバカ!」

 

「・・・ってことは、やっぱ俺、また暴走しちまったんだな。すまねぇ・・・」

「ったく、ゼル姉がいなかったらどうなってたことか・・・」

 

「そうか・・・ゼルディアが止めてくれたのか」

「まぁな。つうか、お前・・・本当に頑丈だな。

 お前は覚えてないかもだけど、ゼル姉の必殺技喰らって生きてるんだからな。

 ホント凄かったんだから」

 

「そうなのか・・・だけど、この頑強さが仇になって暴走しちまった」

 

「・・・

(自身の防衛本能が暴走を引き起こす・・・

 危機的状況下で、中途半端に意識を失くすと暴走状態になる。

 だから予兆が見られる場合は、一気に意識を失くさなきゃダメなんだよな・・・

 こいつの打たれ強さで、生半可な事じゃ意識はトばないってのが厄介なんよな)」

 

「てか、いくら俺が頑丈って言っても無傷なのはなんで・・・」

「それはパキア・パキアの治療のおかげだよ。

 かくいう俺も治してもらったからピンピンしてる」

 

「あの食いしん坊か・・・」

「あの生臭坊主、なんで戒律破ってメチャクチャやってるのに、

 治癒術あんなに凄いの、謎すぎるぜ・・・」

 

「ラキット、お前、本当にあいつの言う通りにするつもりなのか?」

「エンドレスブルーの事か?まぁそのつもりだよ」

 

「正気なのか?天使の泪の情報なら、この先手に入るかもしれないだろ!?

 いくら何でも今まで鍛えたもの全てを失うって・・・

 しかもそれはあくまで入るための代償に過ぎない・・・

 エンドレスブルーがあるかどうかもわからないんだろ!?

 あまりにもリスクが大きすぎるじゃねぇか!」

 

「確かにな。かなりバカげた賭けだと思うよ。

 だから、そんなバカは俺だけでいい」

 

「はぁ・・・意志は固いんだな」

「あぁ。決めたんだ。

 だから、ブルーズクローも解散だな」

 

「は!?なんで・・・」

「いや、団長がいないギルドってのもアレだろ?」

 

「ったく・・・相変わらず勝手な野郎だぜ。

 よし!!俺も腹を括るぜ」

「は?腹をくくるって・・・」

 

「俺も行くって言ってんだよ。『ウーラネウスの地下迷宮』」

「アーマス・・・おまえ・・・」

 

「なんだ?感動して泣きそうか?」

「はぁ!?誰が泣くかバカ!

 まったく呆れたバカだな。このバカ!」

 

「バカバカ言うなチビ!」

「あんだと!?この脳筋がぁ!!」

 

ガチャ・・・

 

『あん?』

 

言い合いの中、ドアを開ける音に自然と視線を向ける二人。

そこにはミリシアが立っていた。

 

「あ、あの・・・私も!私も行きたい!」

「行きたいって・・・どこに?」

 

「ゴメン・・・聞くつもりじゃなかったんだけど、聞こえちゃって・・・

 ウーラネウスの地下迷宮・・・エンドレスブルー探し・・・

 行きたい!私も!」

 

「・・・いやいやいや!おま・・・わかってんのか!?」

「うん!大丈夫!」

 

「大丈夫って・・・今まで鍛えた力が失くなるんだぞ・・・

 おまけに、エンドレスブルーが確実にあるかもわからないってのに・・・」

「第一危険だろ。守り人もいるって話だぜ?」

「舐めないで!自分の身くらい、自分で守れる・・・!」

 

「はぁ・・・(話がさらにややこしくなってきたぜ・・・)

 つーか、何でついて来たいんだよ?リスクしかないってのに」

「バカ野郎・・・そんなもん決まってるだろ?なぁ?ミリシア」

 

ニヤリと笑みを浮かべるアーマス。

 

「//////・・・!!!ちょ!!」

 

顔を真っ赤にして慌てだすミリシア。

 

「あぁん?アーマスは知ってるのか?」

「な、ななななんでもいいでしょ!私が行きたいって言ってるんだから!

 それでいいでしょ!」

 

「?・・・正直何があるかわからないし、命の保証はできないぞ。

 それでもいいのか?」

「う、うん・・・!」

「まぁいいんじゃねぇか?男二人よりも華があって。

 ミリシア、料理は出来るのか?」

 

「う、うん!任せて・・・!」

 

「・・・まぁ確かに人手は多い方がいいかもだな。

 じゃぁ決まりだな。明日出発しよう。

 解散!解散っと!」

 

話をまとめた所でラキットとミリシアの二人は部屋をあとにした。

 

「ん?私はともかく、ラキットは同じ部屋でしょ?」

「いやぁ・・・ほら、飯行く約束してなかったっけ?

 行かね?晩飯」

 

「い、行く!・・・で、でもアーマスは?」

「あー・・・あのバカはまだ病み上がりだから、寝かせといてやろうぜ」

 

「けっ!(誰がバカだ。丸聞こえだっつーの。

 にしても、あのバカ、嬢ちゃんを食事に誘うなんてやるじゃないか。

 上手くやれよな)」

 

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