■ワールドトリガー
第70話「隊長の務め」
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「迅さん、僕たちのチームに・・・
玉狛第2に入ってください!」
迅をチームに誘い入れる・・・そんな事が可能なのか?
ボーダーの規則では戦闘員は4人までOKなようだ。
確かに嵐山隊や三輪隊のチーム構成は戦闘員が4人だ。
逆に茶野隊のように二名編成のチームもある。
結構自由なんだな。
しかもランク戦のシーズン中でも加入・脱退が可能だという。
だから規則上、次回からのランク戦で迅が加わるのは何の問題もないわけだ。
ただ、この事を教えてくれた栞曰く、新しいメンバーを入れた当初は、
チームとの連携も上手く行かないため、ランク戦を勝ち抜くには厳しいという。
まぁそこは有り余るセンスでカバーできなくはなさそうだけどなぁ。
迅さんならね。
・・・・・・
・・・
修は迅の未来予知のサイドエフェクトの事もあって、単刀直入に誘ったようだ。
迅はその結論に至るまでの考えを修に問う。
修は、今回の戦いで負けた事・・・経験値の差を肌で感じた事を語り始めた。
そしてネイバーフット遠征部隊の選抜に参加するためA級に上がらなければならないが、
そのためには、残りの数試合・・・もう一戦も落とせないという。
迅は修に口を挟む。
玉狛第2はまだデビューしたばかりのルーキー。
そんなに自分を追い込む必要はないという。
そもそも結成直後でA級に上がる事など滅多にないことだという。
チームとしての成長率は悪くはない。
むしろ、ここから成長していく感じだと迅は言う。
仮に今回遠征部隊に選ばれなかったとしても、また次のチャンスがある、
焦らずじっくり待てばいいという。
実はこの事は烏丸にも言われた事だった。
実力もついてないのに、遠征に行ったって意味はない・・・。
修自身もそれは解っているようだ。
「無理に急ぐ必要ないって」
迅は修にそういった。
しかし、修は「いえ・・・急ぐんです!」と返答した。
一体何を急ぐというのか?
修が急ぐ理由・・・
それは遊真の体に原因があった。
遊真の今の体はトリオン体・・・
負傷した肉体は遊真の親父さんが残したブラックトリガーの中で、
今現在も刻々と屍に向かっている。
遊真の命の刻限・・・
それは明日かもしれないし、まだまだ先なのかもしれない・・・
修は出来るだけ、早く遊真を遠征に参加させ、レプリカに会わせたいのだという。
修が迅をスカウトしに来た理由はわかった。
しかし、迅はその誘いには応えられないという。
どうやら、迅は別にやるべきことがあり、動いているのだと言う。
迅は修に自分をあまり責めるなという。
レプリカ先生が、ああなったのは修のせいではないという。
遊真もそう言っていた・・・しかし、そうはいっても修は気にしていた。
事実、修はレプリカに助けられ、代わりにアフトクラトルの船で転移してしまったのだ。
遊真や迅がどう言おうが、この事実は変わらないし、修の罪の意識は決して軽くはならない。
それでも迅は修のせいではないと強く言った。
「レプリカ先生がいなくなったのはオレのせいだ」
その真意を迅は語りだす。
迅はサイドエフェクトであらゆる未来の分岐がいくつも見えた。
その数ある選択肢には、ああいう結果にならない未来もあったという。
しかし、敵の狙いが千佳だと分かった上で、彼女が集中的に狙われる未来こそが
被害を最小限に抑えられる未来だったのだ。
もし別の未来を選んでいたら、修や、レプリカが無事だとしても、他の命が奪われていたかもしれない。
よくよく考えたら、もの凄く辛いサイドエフェクトなのかもしれない。
逃れられない選択肢から取捨選択しなければならないのだから。
良い事ばかりではないだろう・・・
あの大規模侵攻だって、そういう辛い選択の連続だったのかもしれない。
迅が自分のせいだとい言ったのは、こういう事だったのだ。
自分が選択した未来の結果が修の負傷とレプリカ喪失・・・
だから大体俺のせいだと迅はいう。
修は母の言葉を思い出していた。
迅さんが修の母に、もの凄く謝っていたこと・・・その意味が今解ったようだ。
迅は改めて修に謝罪した。
そして、この大きな借りはいずれ必ず返すと約束した。
それから「もう一つ」と語りだす迅。
玉狛第2の戦力増強案では自分より適任の人物がいるという。
まだその人物がチームに入ってくれるかは解らないので誰かは言えないというが。
もうヒュースしかいないだろこれw
修は迅と別れ際、自分は確かにしにかけたが、それ以上に助けてもらっているし、
貸しが出来たなんてのは全然思っていないと言った。
迅も修ならそういうだろうなと思ったと返した。
・・・・・
・・・
修はその後遊真と千佳と反省会。
今回は負けたが、まだA級に上がる芽が完全に摘まれたわけではないと!
まだまだ諦めず前を向いているようで一安心!
・・・・・・
・・・
翌日・・・
ボーダー本部の特別作戦室に集まる一部の隊長と司令。
そこで忍田本部長から早速本題が語られる。
エネドラッドから得た情報だが、ネイバーフッドからの侵攻が近々予測されるという。
レプリカ先生の残した惑星国家の軌道図によれば、
もうじき3つの惑星国家が玄界に接近するという!
そのための作戦会議か・・・!
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